よくある質問
  1. 「上塗基準」と「壁芯基準」の
    違いには?
  2. 管理規約の保管者は? 又、規約の閲覧請求があった場合の対処方法は?
  3. 管理規約の変更手続きは?
  4. 防火管理者は誰がなるの?
  5. 管理組合を法人化した場合と、
    そうでない場合の違いは何?
  6. マンション管理業は
    誰でもできる?
  7. 滞納管理費・修繕積立金の時効は
  8. 前区分所有者が滞納した駐車場使用料は、新区分所有者に請求できるか
  9. 高層住宅管理業協会保証機構が行っている管理費等の保証制度とは、どんなものですか
  10. マンション管理業者が行う重要事項説明とは、どういうことですか
  11. 管理組合の預金口座の通帳・印鑑は誰が保管するのですか
  12. 敷地利用権とはどのような
    ものですか
  13. 耐震基準について説明して下さい

(1)「上塗基準」と「壁芯基準」の違いには?
共用部分と専有部分の区分の方法を定めるのが、「上塗基準」と「壁芯基準」です。
「上塗基準」は、隣戸との界壁や床スラブの表面までを共用部分とし、「壁芯基準」は、界壁や床スラブの中心線を境としますので、隣戸の壁や上下階の中にある床スラブは専有部分となります。ここで、注意を要するのは、管理組合が共用部分に損害保険を付保する場合、「上塗基準」では界壁や床スラブは共用部分であるので付保の対象となりますが、「壁芯基準」では専有部分となりますので、付保の対象とはなりません。従って、損害保険の付保に備え、壁やスラブが共用部分となる「上塗基準」であることを管理規約に定めておく必要があります。 なお、この2つの基準以外に「内法基準」というのがありますが、この基準では、u内装材のクロスや塗装までが共用部分に含まれ、区分所有者は自由に模様替えができないなどの不都合が生じます。

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(2)管理規約の保管者は? 
   又、規約の閲覧請求があった場合の対処方法は?
区分所有法33条では、規約は管理者(管理組合理事長)が保管するものとし、保管場所を建物内の見易い場所に掲示し、利害関係人から規約の閲覧請求 があった場合は、正当な理由がある場合を除き、拒んではならないと規定しております。 保管すべき管理規約は真正なものであることが求められるため、標準管理規約 では、組合員全員が記名・押印した原本を一通作成する旨定めておりますが、原本の作成については、規約により任意に定めることができます。

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(3)管理規約の変更手続きは?
管理規約の設定・変更・廃止を行う場合は、区分所有法31条1項において、集会において区分所有者及び議決権の各々4分の3以上の多数決(特別決議)によって決すると規定しており、また、規約の変更等が特定の区分所有者の権利に特別な影響を及ぼす場合は、当該区分所有者の承諾が必要となります。 なお、当該決議要件は法定要件であり、規約により変更することはで きません。

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(4)防火管理者は誰がなるの?
消防法では、一定の防火対象物(マンションでは居住者が50人以上の建物)の管理権原者(通常は管理組合理事長)に対し、甲種又は乙種防火管理者の資格を有する者からこれを選任し、防火管理に必要な業務を行わせるよう義務付けております。(消防法8条)防火管理者は、本来的には組合員等から選任するのが原則で、防火管理者を組合員等以外の第三者(例えば管理会社等)に委託することは、消防法の趣旨及び自主防火管理の原則に反することになります。

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(5)管理組合を法人化した場合と、そうでない場合の違いは何?
管理組合は区分所有者及び議決権の3分の2以上の決議により、登記することにより法人となることができます(区分所有法47条1項)。法人化によって法律関係や管理組合の財産が明確になるといった利点がありますが、区分所有法は非法人の管理組合でも、集会・規約・管理者の定めなど、運営について詳細な規定を置いてありますので、運営上は大きな違いはありません。しかし、あえて法人化の利点をあげるとすると、1.管理組合法人は法人格を持ちますので、権利・義務の帰属主体となり、法律関係が明確になります。例えば 管理組合法人が不動産を取得した場合は、管理組合法人名義により登記ができます。2.非法人の管理組合では管理費等の預金口座は、管理組合理事長などの個人名義により開設しますが、法人化しますと管理組合法人名義により口座を開設することができ、管理組合法人の財産と個人財産の区別が明確になります 3.法人登記により、管理組合法人の存在は公示され、取引きをする相手方は登記簿を調査することにより、管理組合法人の存在、名称、理事などを確認することができ、不安が解消され、円滑に取引きを進めることが期待できます。

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(6)マンション管理業は誰でもできる?
マンション管理業を営もうとする者は、国土交通省に備えるマンション管理業者登録簿に登録を受けなければなりません(適正化法44条)。
1.マンション管理業とは、管理組合から委託を受けて管理事務を業として行うことです。
2.管理事務とは、マンションの管理に関する事務で、基幹事務(管理組合の会計の収入及び支出の調定及び出納並びにマンション(除、専有部分)の維持又は修繕に関する企画又は実施の調整を行うことをいいます)を含むものをいいます。
3.マンションとは、2以上の区分所有者がおり、居住の用に供される専有部分等がある区分所有建物をいいます。なお、マンション管理業を営むマンション管理業者は、30管理組合毎に1人の割合で専任の管理業務主任者を置くことが義務付けられております。

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(7)滞納管理費・修繕積立金の時効は
管理費等の債権は定期給付金として時効は5年で完成するとされ(平成16年4月23日最高裁判決)、時効が完成し、債務者が時効を援用すると債権は消滅致します。但し、大規模修繕工事を実施するために臨時に一時金として徴収する場合における一時金の請求権の時効は10年です。
時効を中断するには下記の方法があります。
 
1.請 求
請求の方法としては、訴訟の提起、支払い督促の申立、内容証明郵便による請求がありますが、内容証明郵便による請求の場合は、請求から6ケ月以内に 訴訟、差押、仮差押あるいは破産手続きに参加しないと時効中断の効力は生じないので注意を要します。
債務者(区分所有者)が滞納額の存在を認めた場合、時効は中断致します。ただし、マンションの管理費等は1カ月分が一つの債権と考えられますので、債務者がある月分の滞納額の一部を支払った場合は、その月分の残額についてのみ「承認」があったものとされます。
 
2.差押、仮差押、仮処分

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(8)前区分所有者が滞納した駐車場使用料は、
   新区分所有者に請求できるか
管理費や修繕積立金、専用使用権に付随する使用料等、区分所有権に付従する債務は、特定承継人である建物の買受人や競落人に対しても請求ができますが (区分所有法8条)、駐車場賃貸借契約に基づく駐車場使用権は、属人的な権利と考えられ、従って、駐車場使用料は新区分所有者には請求できないものと解されております。

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(9)高層住宅管理業協会保証機構が行っている
   管理費等の保証制度とは、どんなものですか
本保証制度は平成8年10月に、管理組合の財産保護を目的に制度化されたものです。 保証制度には二つの目的があり、第一は管理会社の破綻により、管理組合に金 銭的な被害が発生したときに、管理費・修繕積立金の1ヶ月分相当を保証するもので、第二は、管理業務が長期に亘って中断することがないよう、被害を受けた管理組合を支援するものであります。

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(10)マンション管理業者が行う重要事項説明とは、
    どういうことですか
管理会社は、管理組合と基幹事務を含む管理業務を受託する旨の契約を締結する際は、予め、説明会を開催し、区分所有者及び当該管理組合の管理者等に対し、管理業務主任者をして国土交通省が定める事項(重要事項)について説明をさせなければなりません。また、従前と同一条件により管理委託契約を更新する場合で、管理者が設置されている場合は、当該管理者等に対し、管理業務主任者をして重要事項を記載した書面を交付して、説明をさせなければなりません。

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(11)管理組合の預金口座の通帳・印鑑は誰が保管するのですか
適正化法により、修繕積立金を管理する口座(「保管口座」といいます)は、管理組合又は管理者 等の名義とすることが規定され(適正化法施行規則87条2項)、更に管理会社は、当該預金通帳及び銀行取引印を同時に保管することは禁止されております(同施行規則87条4項)。
一方、管理費等を収納する収納口座及び日常の管理費の支払いに使用する口座の預金通帳及び銀行取引印は、管理会社は、原則として同時に保管することはできませんが(「原則方式」といいます)、保証機構(9)を参照)への加入や、収納した管理費等の内、修繕積立金を収納から1ヶ月以内に保管口座へ振り替える等の一定の措置を講ずることにより、その両方を保管することが出来ます(「支払い一任代行方式」といいます)。

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(12)敷地利用権とはどのようなものですか
敷地利用権とは、専有部分を所有するための、建物の敷地に関する権利のことをいいます。敷地利用権には、所有権、地上権、賃借権などがあり、敷地全体を区分所有者が共有(準共有)する形態が最も多く、区分所有者各々の共有(準共有)持ち分は、各専有部分の床面積の割合によるとされております。敷地利用権は、規約に別段の定めがない限り、区分所有者はその有する専有部分と、その専有部分に係る敷地利用権とを分離して処分をすることはできません。これを「敷地利用権の一体性の原則」といいます。 専有部分との分離処分が禁止される敷地利用権で登記されたものを敷地権といい、専有部分の表示登記の際に、その表題部に敷地権たる旨を明示することになっております。 敷地利用権の一体性の原則は、改正区分所有法の施行の日(昭和59年1月1日)から適用されていますが、既存の区分所有建物については、法施行の日から起算して5年を超えない範囲内で政令で定める日(昭和63年12月28日)、あるいは、法務大臣によって指定された「適用開始日」から適用され、法務大臣の指定がない区分所有建物については、政令で定める日(昭和63年12月28日)に、規約で分離して処分ができる旨定めたものと見做されますので、「一体性の原則」を維持するには集会の議を得て、規約にその旨を規定することを要します。

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(13)耐震基準について説明して下さい
震度5強の揺れでは壊れず、震度6強だと柱などが壊れるものの倒壊はしない、現在の建築基準法が建物に求めている最低の強さで、この値が耐震強度1とされております。現在のこの耐震基準(新耐震基準)は、昭和56年の建築基準法改正により定められました。耐震強度は、保有水平耐力を必要保有水平耐力で徐して算出致しますが、構造計算の方法は4つあり、同じ建物でも計算方法が違うと異なった数値が出る可能性があり、又、同じ計算法でも、壁と梁の接する部分の強度など設計者の判断や裁量で数値が動くことがあると言われております。なお、関係都県、特定行政庁、国土交通省から構成される「構造計算書偽造問 題対策連絡協議会」において、地方公共団体が建築物の使用制限や除却等の命令を行う基準は、耐震強度が0.5と申し合わせ、震度5強の地震により倒壊する恐れがあると考えられております。なお、保有水平耐力とは、各階の柱・梁・耐力壁が負担することができる水平力のこといいます。

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